みなさま、メリークリスマス!(いつにないテンション)
無事に最終回、そしてスピンオフまで配信され、ようやくわたしとOLとの長い日々は終わりを告げました。
ひと言でいうと、感無量に尽きるのですが、この溢れる思いを書き留めておきたい気持ちでいっぱいなので、最後、しつこくやらせていただきますね!

最終回を待つ間は、あまりにも思い詰めすぎていたので、気持ちの拠り所を求めて、成瀬×四宮を応援するツイッターアカウントの呟きを祈るように探し、狂ったようにファボる1週間でした。もう、検索ワードも心得たもんだからね! 隠語(っていうのか?)で検索できるようになったもんね!でも、マイナーカップルなので、気分はすっかり隠れキリシタン……。
それでもしつこく検索していると、ほどなくして大体が見覚えのあるアカウントやツイートばかりになってしまい、これ以上掘っても、もう何も出てこないなあ……というところまで行き着いてしまっていました。
さりとて、某掲示板や某某掲示板などへ行くと、心折れる考察や意見に溢れているので、もう泣いても笑ってもあと数日なのにわざわざ傷口に塩を塗らんでも……と思いましてね。こうして、人の視野とは狭くなっていくものなのですね……。

希望があるとしたら……縋れる根拠は、下記のとおりでした。
・予告で、四宮が誰かに「俺のどこがいいわけ?」と云っている(映像無し、台詞のみ)。これは成瀬相手では?
・武蔵は、成瀬が恋する相手を知っている。だから、一時的に黒澤家に住むことになって武蔵に弟子入りするという四宮(予告情報)に、そのことを諭すのでは?
・月曜の「TVガイド」で、超重要シーンとして春田×成瀬のハグがレポートされていたので、この段階でそんなネタバレがあるわけないのでは?
・逆に、クランクアップなど最終回に関する情報がまったく出てこない四宮は、重要なネタバレに絡んでいるのではないか?
・成瀬は、古墳とかグラタンとか1つのことに執着するタイプだから、一度本気で好きになった相手にはとことん執着するのでは?
・成瀬の父親の命日と、四宮の誕生日が同じ日というのは運命的な符号では?
・第4話の卓球大会で、成瀬・四宮がペアだったことには、意味があったのでは?
・最終回の数日前に、なぜかシノメシブログ(四宮の料理ブログ)が上がっていて、これが最終回に黒澤家でふるまう天ぷらだったので、最終回後はグラタンが来るのでは?
・これまでの春田は年下のイケメンとくっついてきたけれど、S2で果たして同じことをやるだろうか?

……まあでも、どれも根拠薄弱であることは否めず、7話の最後、春田と成瀬の手つなぎで、成瀬の手が名残惜しそうに離れたように見えたのと(実際そういう演出だったと思う)、四宮の気持ちがどこまで成瀬に向くのかがどうにも自信がないまま迎えた最終回。
当日は、もちろんリアタイ視聴です。有馬記念直前の中山競馬場にいる心構えで、「気持ちは完全に成シノ1点買い!……だけどやっぱ、春成も500円くらい買っといたほうがいいかしら……」とかどうでもいい独り言をブツブツ云いながらの幕開けでした。
予告とこれまでに出た情報や布石を、ひとつひとつ確認するように、超集中、息を止めて視聴。こんなに真剣にドラマを見たことが、かつてあっただろーか?!(笑)


ここからは、詳細にネタバレしますので、ご注意くださいませ。
わたしの注目は、なんといっても、成瀬が変節しないかどうか?その1点に尽きます。
まず、「春田とはうまくいってるのか?」という、予告でも流れた四宮の台詞。これは前半早々に回収されました。
7話のラストで寮を飛び出した四宮と職場で出くわした成瀬が、外で歩きながら話す場面。ここの成瀬がまたかわいい。「あなたがいない(ご飯を作ってくれない)せいで、俺はグラタン食うしかないし、春田さんは俺のグラタン食うし……」と愚痴をぶつけるんですが、その返しが「春田とは……」なんですね。そこで成瀬が、なんでわかんないんですか!?とブチ切れてくれたので、この時点ではまだ成瀬が四宮を好きなことがわかって、ほっとしました。

寮を出た四宮は黒澤家に居候しており、そこで彼は、愛の極意を武蔵から学ぼうと弟子入りします。実際に何かを学ぶような描写はありませんが、第4話に続く黒澤杯(今回は相撲大会)を経て、四宮は寮に戻り、また春田と成瀬と3人で食卓を囲むまでに関係は修復。成瀬は、嫌いだった人参を食べられるようになっていて、四宮もなんだか嬉しそう。
またある日の食卓で、春田が四宮に「チーズハンバーグが食べたい」とリクエストするのですが、四宮は「お前のリクエストはもう聞かん」と断ります。それでも四宮の側に行って食い下がる春田に、成瀬が立ちはだかり、春田を外に連れ出します。
そこからが、例の、「TVガイド」にも出た重要シーンね! うわー来た来た来た、ここで春田と成瀬、抱き合ってたもんね! 成瀬は涙流してたし……。ここの答え合わせ如何で、運命が決まるってことよ!
もう、自分が誰になっているのかわからないくらい心臓をバクバクさせながら固唾を飲んで成り行きを見守りました。結果……、成瀬はこう云います。
「春田さんは俺にとって大切な人だから……それは(付き合うことは)できない」
ああああああああ!そっちかーーー! 期待はもちろんしていたけれど、成瀬-----!!!(気分は9回二死裏)
「あんた(四宮)としか(キス)したくない」とまで成瀬に云わせた落とし前を、きちんとつけてくれて本当によかった……。

そして、パイロットを引退する武蔵のクリスマス・ラストフライトを経て、それぞれの結末が出されるわけですが……。
成瀬×四宮は、四宮が成瀬を受け入れようとするところで終わります。このラストシーンが、どんだけよ!というくらい萌えが詰まっていて、6話のラストと二大巨頭で鬼リピ確定。ていうかもう、現時点で100回は再生してる(←病気)。
まず、成瀬の好きなグラタンを、四宮と成瀬がふたりで作っている!それだけでもう感情のダムが決壊しそうになりましたが、予告で四宮が云った台詞「俺のどこがいいわけ?」はここで、成瀬相手に使われて大歓喜!
で、ここからの成瀬の返しがまたいいの。「なんか見てらんないんですよね……(中略)だって、どことなく残念じゃないですか?」などとからかって、四宮が「残念云うな! どこがいいか聞いてんだよ!」と文句を返すと、四宮の目をじっと見つめながら囁くように「どこがいいのかなあ……」と、にじり寄って云うんですよ!なななななにこれ!? 天使の誘惑!? そういえば中の人は「ゴセイジャー」で天使の役だったもんね!?(意味不明)
成瀬、やっぱ君はこうでないと!タコ公園のタコの滑り台で子どもみたいに泣いている君よりも、ずっとこっちのほうが成瀬らしくて好き。かわいくて、いじらしくて、でも基本的に不遜で、とても色っぽくて……これぞ成瀬の真骨頂でしょ。
キスまで持って行く流れも神がかってた。思わず四宮が顔を近づけそうになって踏みとどまったところに、すかさず成瀬が迎えに行くようにキスするんですけどね! さらにそのあと、ダメ押しのように「キスしようとしてたでしょ?」とにっこり。ああああああああ!成瀬ってば、どんだけ手練れの小悪魔なのよ!?(さっき天使って書いたけどw) 7話であんだけ幼児だったのに、このギャップ! これはさすがの四宮も落ちるやろ……と思ったけど、その後、AbemaTVで配信されたスピンオフ(SP)を見たらけっこう往生際が悪い(笑)。

SPがあるだけでも感謝感激なのに、もしかしてキス以上のなんやかんやが見られたりするんだろうか?!などとさらに邪な願望を抱かずにはいられませんでしたが(こらっ)、そこもやっぱり視聴者の安直な期待とは違う方向に行くのがこのドラマ。
あんなキスシーンがあったというのに、かえってふたりの関係はぎこちなくなり、表面的には後退していきます。
最初に見終えたときは、「えー!?続き早よ!!」というのが正直な気持ちでしたが、冷静になって見れば、6話で成瀬が四宮を襲って、最終回では小鳥がついばむような軽いキスをして、SPでやっとデートに漕ぎ着けて……と、普通の恋とは逆方向に巻き戻っていくんだけど、お互いの気持ちはどんどん寄り添っていくという心憎い仕掛けになっているんですよね。
成瀬が、「キスまでにやらなきゃいけないことってなんですか?」と春田に尋ねたことを、愚直に実践している姿が、とにかくいじらしい。
そんなSPのラストは、単発おっさんずのラストくらい、匂わせながらも幸せいっぱいの素敵な終わり方でした。最後に、四宮の寝顔を見ながら成瀬がそっと目を瞑るところ、本当にエモすぎて、心臓が溶けそうになります。


前に、襲い受けが性癖なのかもと書きましたが(どうでもいいリマインド)、年上受がぐいぐい来る年下攻に翻弄される組み合わせも刺さるのかも? でもって、年下攻の情熱が空回りしている感じもいいのかも?? あと、両片想いっていうシチュエーションも好きなのかも???
わたしは固定厨ではありませんが、やっぱり成シノ(成瀬×四宮)の位置がしっくりきますね(と云いつつ、どっちもアリだし見たいけどね!)。SPでは、四宮に振り向いてほしくて、(四宮が好きだった)春田の真似をしてアホの子みたいになる成瀬が見られますが、アホだけど健気すぎて萌えが止まりません。いいよね、こんなにも好きな人に必死になれるって、マジで尊いわ……。
で、そんな成瀬を前に揺れまくる四宮の気持ちにも、すんごいドキドキする。整備士という職業柄か、生真面目で、失恋したばかりなのにもう次の恋に進んでいいんだろうか?とか悩んでいるわけ。好きになっていいのかなって、10も年上の男が怯み、困惑し、自分のダメな部分をどんどん晒しちゃう様子、なんてもどかしくてかわいいんだろう……って、成瀬もたぶん、そう思っていそうなのがいい。一方で、子どもじみたところが多々ある10も年下の男を、おそらく本能的に放っておけなくて、あれこれ世話を焼いちゃう四宮がまたいい。
6話ラストも切なくて最高だったけれど、好きなカップリングが関係を築いていこうとする過程は、実に麗しいですね。薄い本を探しに行かなくても、公式が腐女子の妄想をどんどん実現してくれて、誠にありがたい限りでした。だけど、もうこの先は見られないのかと思うと、やっぱり薄い本での補完は必要かしら……。
ちなみに、SPの見どころはたっくさんありますが、前編のラストで春田が出てきて「ハッピーニューイヤー」っていう場面、やっぱ春田かっこいい!って思ってしまいました(←現金)。あの一瞬で出す存在感、やっぱ主役だなーと。

……とまあ、わたしは自分の願望通りの結末だったから前向きな気持ちで振り返れるけれど(公式の見解と自分の希望が一致するのは実にすっきり、そして安心感がありますね)、納得のいっていない人はたぶん死ぬほどたくさんいて、中国のファンは怒り狂っているとかいう噂も……(中国は、ビジュアルのよい春田×成瀬推しが圧倒的多数とか)。このブログも、見る人が見たら爆破対象になってもおかしくありません。
わたしも、リアタイ視聴時は、春田の気持ちがあんなに早く武蔵に行ったのは、ちょっと、え、えーーーマジ?!ってついていけなかった。
思い起こせば、7話での武蔵のファイナルアプローチに春田が涙を流して断った場面や、乱入クレーマーを体を張って止めようとする武蔵を怒るほど心配しているところ、最終回で武蔵がパイロットを辞めると聞いて激しく動揺する春田……決して、フラグがなかったとは云わないけれど、贔屓目に見ても唐突感があり、もうちょっとなんとかならんかったのか?とは思いました。意地悪な見方をすれば、成瀬と四宮をくっつけるために、春田と武蔵を無理やりくっつけた感も否めないわけです。
武蔵エンド自体はいいの。なんだかんだで、「おっさんずラブ」は春田と武蔵の物語であり、この組み合わせこそがドラマの主軸・目的であり、武蔵を入れた4人のカップリングにおいて、最もハッピーエンドに近いのはこれだと思う。何より、すっかりギャグ担当として蚊帳の外に置かれていた感のある武蔵が、きちんとラブストーリーの主役になったことは、心から嬉しい。単発、S1ともに、武蔵にいちばん泣かされてきた身としては、なおさら感慨深いものがありました。武蔵といるときの春田は、やっぱり「はるたん」みがあってかわいいしな!
だからこそ、春田の気持ちの旋回を、もう少し丁寧に、もう少し布石を置いて見せてくれたらよかったなあ、と。成瀬から武蔵へ矢印を振り向ける理由が、もうひと押し欲しかった。しかも、成瀬に振られた次の日に武蔵に行くって、急旋回すぎない?!
後から知ったことですが、もともとこのS2は、武蔵エンドで終わらせるつもりで書かれていたというから、なおのこと惜しい……。そこさえしっかり書いていれば、本当のハッピーエンドでカタルシスも半端なかっただろうし、春成推しもある程度は納得できたと思うの。何せ武蔵は、単発から3回も春田を追って転生(?)しているのだから!
あと、春田を抱きしめるシーンもあった獅子丸は、もうちょっと重要な役どころでもよかったんじゃないかと……ちょっと登場が遅すぎたか?

全編を通して思ったのは、好きな人に好かれない、好きじゃない人に好かれるという、恋愛が持つ容赦のなさでした。ほんと、ドラマ内のキャッチコピーじゃないけれど、「好きになってくれた人を好きになれたらいいのに……」ですよ。人としては好きなのに、恋の対象にはならない相手。なんか、いろいろ思い出して辛くなるな……(笑)。
それでもこの人じゃなきゃダメで、たった一人の、心揺さぶられる人だということが恋愛の尊さでもあるわけですが(そこが、私が成瀬を推す理由でもあるのですが)、一方で、最終回前にふと思ったのは、「貫く」「受け入れる」「応援する」という愛のカタチがあって、それを登場人物それぞれが担うのではないかということでした。
それを誰が担うのか?となったときに、わたしのなかでしっくり来る割り振りは、成瀬=貫く、四宮=受け入れる、春田=応援するだったのです。で、武蔵は、そんな3人をさらに大きな愛で包む役割?とか思っていました。
わたしは成瀬に肩入れしすぎているのでこうなりますが、これは、見ている側一人一人で答えが違うでしょう。でも、自分の愛を貫く強さ、いい意味での我儘さが、成瀬にはあると思ったんですよ。だって、ビッチだったのに、誰とでもキスできたのに、春田とだって2回もキスしたのに、なんでそれで、完全に片想いと分かっていて四宮に行ったか、って話なんですよね。そこから翻って春田に行く必然性なんて、ないのよね。成瀬の「本気だよ」が1話で変節してしまうなんて耐えられない、人間不信になっちゃう!と思っていましたが、ごめんね疑って……。
じゃあ春田は? 四宮は?ってことなんだけど、春田に関してはわたしもギリギリまで成瀬エンドあるかも?と思っていたのであれなんだけど、四宮は、春田と一度きちんと決別してしまっているのよね。春田の気持ちが自分にないことを、はっきりとお互いに確認してしまっている。だからここから再び……というのは無いと思っていました。もちろん、すぐには春田をふっ切れないとしても、成瀬の情熱に触れて、心を動かすことがあってもいいんじゃないの?と(だからこそ、成瀬には諦めてほしくなかった)。それを変節だとは思わなかったし、最終回で、春田の料理のリクエストを断った時点で、四宮はもう前を向いているんだと思いました。
で、春田の行く末は最後までわからなかったけれど、最終回中盤の、成瀬と向き合うシーンで、成瀬はきっぱりと春田に、大切な人だからこそ、軽い気持ちで付き合うことはできない、と告げている。それは、春田が四宮に向き合ったときと同じくらい、はっきりとした結論だったと思う。もしかしたら、手つなぎの時にすでに、春田は成瀬の気持ちが自分に向いてないことに気付いていたのかな?(ここはわたしは読み違えていたけれども)
それだったら成瀬も四宮にはっきり、というか酷い断られ方してるじゃん!と思うんだけど、前のふたつとは中身が違って、きちんと向き合ってないんだもの。だから、ここだけはまだ可能性があるんじゃないかって。

まーた長くなってしまいました。「ROCKIN'ON」の2万字インタビューかよ! ほんと、重症ですみません(汗)。
まるで自分が恋しているみたいな……とはちょっと違って、あくまでも人の応援の立場なんだけど、恋の苦しみに限りなく近い気持ちを嫌ほど味わわせてもらって、‟感謝文句”(by成瀬)を云いたいですね。
まあでも、こんなにはまったのは、結局のところ、成瀬=千葉雄大のビジュアルに幻惑されたっていうのが、案外いちばん大きかったりしてな……。もう2年くらい前ならもっと凄絶な美しさだったかもしれませんが、時々顔が真ん丸なのも、成瀬というキャラクターのダメダメなかわいらしさと合っていてよかったのかも。逆にあと2年後だったら、このかわいらしさは出せなかったかも。本当に、このキャスティングには感謝しかないです。
もはやあとは、来年の『窮鼠はチーズの夢を見る』の公開を楽しみに暮らしていこう……また腐った沼に落ちないか心配だけど、結末がわかっている分、気は楽だし。
このブログで、「実写化したら、ファンのバッシングが恐ろしいことになりそうだけど、わたしは実写でも観てみたいなあ。色気のある上手な役者さんに、リアルとドラマが絶妙にブレンドされたこの世界を再現してほしい!」と書いたのは、もう7年も前のこと。さすがに実写は無理やろと、ドラマCDをリピっていたあのころを思うと、夢って叶うもんですねえ。