これまでの更新頻度からは考えられないまさかの連投で、いよいよ気が狂っていますが……再びOLの話。
最終回後も多分もう1回更新するからそのつもりで!!(笑)
ネタバレに加えて、今回は、人によっては地雷のカプ厨的な話題なので、引っかかる方はどうかスルーしてください。

6話のラスト以来、めちゃくちゃバイアスがかかってしまったわたしは、先週の7話を見たあと、あまりにも辛すぎて眠れなくなり、すがるようにさまざまなSNS上の考察を読み漁ったあげくほぼ一睡もできず、そのまま朝から仕事の出張に行くことになり、さすがに仕事に支障きたすかもと心配していたら、変なアドレナリンが出まくっているのか、1日中いやに元気で、自分が怖かったです。
成瀬は、その場で四宮に拒絶されたものの、これまでのくそ生意気なキャラをかなぐり捨てて、柄にもない行動を取り始めます。春田に相談してデートスポットを一生懸命探したあげくに春田と疑似デートしたり、自分の好きなもの=古墳を四宮の潜在意識にすり込もうと寮のリビングに古墳本を散らかしたり……30才という設定を考えるとあまりにもあどけなすぎる成瀬。
しかし四宮は、春田との決着がついたばかりの傷心に加え、さらに春田が成瀬を好きらしいと知ってしまい(この下りはけっこう曖昧な描写で、ん??という感じだったけど)、必要以上に成瀬を拒み、「迷惑なんだよ!」とまで言い放ちます。ここの場面が、春田の幸せのためにというよりも、本当に成瀬には興味がないんだなと思える冷たさだったので、成瀬だけでなくわたしの心が死にました。
あらためての強い拒絶にショックを受けた成瀬は寮を飛び出し、四宮は残酷にも、春田に「行ってやれよ!早く!」と言うのです。春田は戸惑いながらも成瀬を探しに出……。

そこからの展開は、己の願望とは裏腹に、どう考えても、春田×成瀬で確定だと思いました。
わたしはもともと、このふたりでエンドになると思っていたから、6話のラストさえなかったら、素直に喜べるはずだったのです。
だけど、まさに番組のキャッチコピーのひとつ「君の気持ちを知ってしまったから……」ですよ。成瀬の気持ちを知ってしまったから。あんなに強い気持ちを見せられてしまったから……。
とにかく、成瀬が四宮に放った「誰とでもキスできると思っていました。でももうあんたとしかしたくない」という台詞が、「好き」よりもある意味ずっと重い言葉が、わたしのOL世界の中心に据えられてしまって、これがないがしろにされる展開だけは見たくないと、強く思ってしまうのです。成瀬には、初めての本気の恋を貫いて、あわよくば叶えてほしいと……。ビッチの純愛に肩入れするなんて、ヤンキーの改心に感動するくらい安直かもしれないけれど!
振られる人間の痛みを理解した成瀬が、今まで自分が辛い時になぜかいつも近くに居てくれた春田の有難さに気づき、絆されていく……という流れはいかにもありそうですが、そんな説明書きみたいにわかりやすい展開にするなら、もはや、成瀬の恋と失恋は、最終的に春田に傾くためのお膳立てか舞台装置でしかなかったとさえ思えてきます(めちゃめちゃ歪んだ視点w)。
そりゃ、成瀬は四宮にわりとひどい振られ方をしたし、この一連の下りは、結末によっては鬼門になりそうなほど辛くて見返せないんだけど、実際あんなふうに振られたら、“傍にいてくれる自分を好きな優しい人”に傾く気持ちも分かるし現実的にあるあるだと思うけれど、なんかそれは、ドラマでわざわざ見たくなかった、悪い意味での現実というかね……。
それにしても、あんなに拒絶されるなんて、成瀬がこれまで人を振り回してきた天罰なのかと思ってしまうわ。

予告には、「俺にとって春田さんは大切な人だから……」という成瀬の台詞があり、さらにはふたりが抱き合っているシーンまであります。しかも、このシーンの撮影レポートが月曜にネットに上がり、とにかくそこが最重要シーン!みたいな煽られ方をしていました。
ここを素直に解釈するか否か。頭では、7話からの流れも鑑みると、ああもうこれは春田×成瀬じゃん?と理解するのですが、なんせ成瀬→四宮の恋を潰したくない身としては、「大切な人だから……でも、恋とは違うんです」とかなんとか、続けてほしいわけだよ!今までの成瀬の、孤高のツンデレキャラはすでに崩壊しつつあるけれど、あんなにプライドが高くて心を閉ざしていて誰のことも本気で愛せなかった君が、初めてなにかしてあげたい、自分を好きになってもらいたいと思った相手を、ゆっくりと結晶化したその気持ちを、諦めてほしくないのよ!成瀬が誰と結ばれようが、とにかく幸せになってくれたらなんでもいいとは思えないのよ……。
成瀬には、“恋とは物分かりの悪いものだ”ということを体現してほしい。ドラマだから、あの顔だから許される執着のフィクションを見せてほしい。振られて、本当に大切な人に気がついて、そして春田エンドへ~~(ドラクエ3か!)という、ありそうな展開に傾かないでほしい。ドラマ公式は「恋から愛へ」を謳っているけれど、そんなの関係ねえ。好きな人のために身を引き、応援する愛も美しいけれど、恋には恋の純粋さがあるはず。 成瀬も黒澤キャプテンに云ってたじゃない、「引き返すべきではなかったと思います。僕なら違うアプローチを探ります」って(これは操縦の話だけど)。
そして、四宮には、答えて欲しいとまで贅沢は云わないから、あんな拒絶の仕方で終わらず成瀬の気持ちにきちんと向き合ってほしいし、春田は……はるたんは、武蔵がもうSeason3にて転生しなくていいよう、武蔵の気持ちに答えてやってくれ!(暴論)
6話ラストではあんなに妖艶だった成瀬が、7話では完全に幼児返りしてしまって、そりゃあのビジュアルだからかわいいんだけど、なんだか物足りなかった。そのあどけなさが、対四宮にだけならまだ萌えられるとしても、春田にまであんなに無防備になってしまうなんて……ぶっちゃけ、最後の手つなぎシーンなんてもう、今にもコロッと春田にいてまいそうやったやん。

無論、視点を変えれば、成瀬が四宮を好きなように、春田もずっと成瀬のことしか見てなかったのは事実で、同じく「執着の物語」は成立するし、最終回で報われてなにが悪いねんと云われたら、ぐうの根も出ないんですけどね(ついでに云えば、四宮も春田をずっと見ていたわけだけど、何せ6話であそこまで真摯にお断りされているからなあ……)。
しかしながら、恋に理屈が通らないように、萌えにも理屈は通りません。
先週時点では、成瀬にも、春田にも、四宮にも報われてほしかったけれど、それは同時に成立しないのよね。でも、成瀬が絆されてめでたしめでたし、というのはなんか粗雑だなと思うわけ。
春田が2回も手つなぎポッケinするのも、優しさというより下心を隠し切れない感じに見えて(色眼鏡ですよね、わかります☆)、あんまりときめかなかった……。いやこれ、完全に振られて傷ついてる子に、無意識的にとは云えつけ込んでるやん!って。
一方で、5話で強引にキスした春田にはむしろ萌えたという自分もいるわけで、盛大に矛盾しているけどな! なんだろう、温もりたっぷりの優しさで成瀬を包み込む春田が、ちょっと胡散臭く思えるのかな?(笑) わたしが5話後の気持ちのままなら、7話は神回になっていたかもしれませんが、今となっては、唯一リピートできない回になってしまいました(と云いつつ、そのうち見るだろうけど……)。
まっ、こうして自分もあっけなく変節しているのだし、成瀬が春田に傾いたってなんの不思議もないよね(泣)。でも、なぜか成瀬には過剰な期待をしてしまう。春田や四宮のそれに比べて、比較的、奥ゆかしく分かりにくく描かれてきた恋心の成長が、静かに降り積もっていた想いが、あの6話で結実し大爆発したときの破壊力は、やっぱりこのドラマの名場面であり重要シーンだと思うから。
あと、単純に、成瀬×四宮の組み合わせが好み。偏食家と料理好き、機上の人と地上の人、10歳の年の差というコントラストの強さと、ふたりとも仕事熱心で、飛行機が大好きで、ついでに身長が同じという共通項の、絶妙なバランス。

不動産編では、最終回の前にとんでもないちゃぶ台返しをした後、最後の最後で大逆転みたいな展開だったので、今回も、予告映像には出ていないけど、だからこそ隠された重要なシーンとして、成瀬×四宮あるんちゃうん??と、一縷の望みを抱いていたりもして。
今、SNSやネット上では、春×成、成×四、四×春(逆位置を含む)、さらには黒×春ってのもあるんだけど、それぞれの派閥というかチームみたくなって、推しカプを全力で応援&妄想する様子は、もはやワールドカップの決勝リーグか、有馬記念前夜のそれ。
誰もが最後の最後まで自カプの可能性を探って、強引とも云える考察に明け暮れているさまは、ちょっと滑稽ではあるけど泣けてきます。皆さん、エンドによっては古墳に入る覚悟も出来ているみたいだし(注: 成瀬の趣味が古墳だから)。
この界隈は怖いなーと思って遠くから見ていたけれど、好きが余って過激派へと転じていく人々の気持ちが、今ではちょっとわかってしまうな……。ついでに、推しの結婚が本気で許せない気持ちとかも、たぶん同じようなもんなんだと思えてきました。もういい大人ですから、誰かを攻撃したりディスったりはしませんが。
結局は、最終回で見えるものが‟正解”であって、それはスポーツの結果の如く覆せないものなんだけど、もはや正解に固執するよりも、自分の欲望のままに好きな組み合わせを全力で応援するのが、このドラマの正しい見方のようにも思えてきました。自分の願いが絶たれた場合は、そのうち量産されるであろう薄い本を探す旅に出るわ……。

まーしかし、今回は脇のふたり(成瀬、四宮)が魅力的すぎたと思う。はるたんのことはずっと好きだし、今回も応援するつもり満々だったのに、今のわたしは何なんだよ!(笑)
前回にも増して、鼻息荒く、唾飛ばしまくりの内容ですみません。でも、渋谷スクランブルスクエアを徘徊中、丸首のざっくり黒ニットセーターを見かけ、「これ、6話のラストで成瀬が着ていたあのセーターに似てる……」とか思って衝動買いしてしまったくらいには、病んでいますのでね(やべーやつだよ)。