ひっっっっっさしぶりに更新したと思ったら、萌えを吐き出すだけの偏った話題で申しわけありませんね!
だけど、書かずにはいられないんです。なんだろうこの、仕事や生活が手につかない苦しさ……もう買い物すらわたしを癒してくれない……これはもはや……きっと………恋(違うって)。
古くは『絶愛』や『モーリス』に始まり、昨今では『窮鼠はチーズの夢を見る』シリーズや『聖なる黒夜』シリーズなどにドはまりして夢遊病者のように暮らしていた、あのときの感じと酷似しています。
気がついたら、関連コンテンツを求めて目を血走らせながらネットの海を徘徊している自分の業の深さよ。かなりしばらくこの世界からは遠ざかっていたというのに、やはり、腐女子の魂百まで、腐海浄土に生きざるを得ない運命なのでしょうか……。でも、上には上のディープなファンがネットには溢れているから、わたしなんてまだまだかわいいレベルだよね??そうだよね!?

なんの話かって? いま絶賛放映中の、「おっさんずラブ-in the sky-」ですよ!
放映情報も直前まで知らなかったくせに、前回以上にはまってしまい、勢い余って2016年の単発版と、今年の映画版も立て続けに見ちゃってるし! 映画なんて、8月下旬封切だから、12月のいま、そもそも上映館が都内に1軒しかなかったわよ!(最も、映画公開時は、ちょうど家族の病気やら長期出張やらが重なって、とてもそちらに心と時間を割く暇はなかったんだけどさ……)
昨年版のときもそれなりにはまってブログの記事にもしているけれど、今回はあのときより、病気度が高い気がしています。おっさんずメンヘラ。。。

知らない人のために簡単に説明しますと、この「おっさんずラブ」というドラマシリーズは、主人公の春田創一(はるたん)を巡って、その上司である黒澤武蔵という正真正銘のおっさん(ヒロイン)と、その他の男と、女もちょこっと参戦してラブバトルを繰り広げるというラブコメディです。
これまでの歴史を繙くと、2016年に単発ドラマが放映され(文具メーカー編)、2018年春に連ドラ化(天空不動産編)、その連ドラの続きとなる映画版が2019年夏に公開され、同年秋からはシーズン2(正確には3なのか?)としてあらたな連ドラ(航空会社編。ピーチ全面協力!)がスタートした……という流れです。舞台となる職場は毎回変わり、登場人物も変わるのですが、春田と武蔵だけは固定です。
わたしは、現在の航空会社編がスタートすることを知って素直に喜んでいたのですが、ほどなくして、天空不動産編のファンたちが阿鼻叫喚していたことを知りました。試しにツイッターの検索窓に、「おっさんずラブ」と入れると、次のワードが「地獄」と出て来るという、まさに地獄。。。
皆さんが何を怒っているのかというと、天空不動産編の連ドラ&映画で目出度く春田と結ばれた牧凌太が、今回のシリーズでは登場せず、春田と武蔵だけが据え置きで、航空会社という全く違う世界での物語となったことでした。
わたしは、「はるたんと武蔵を軸に回っているパラレルワールド」という設定については、そういうドラマなんだね、「寅さん」とか「相棒」的な感じってことだよね、くらいにしか思っていなかったのですが、天空不動産編を至上の世界と考える人々の目には、冒涜にも等しいと映ったようで……。
まあ、不動産編の第6話ラストで、武蔵とはるたんが同棲していた展開でさえ、暴動が起きかねない勢いでしたから、そもそもの世界が変わってしまうなんて、ありえないことなのでしょう。サンキュータツオ氏のBL論で、「カプ(カップル)論争はもはや宗教戦争に等しい」といった論説がありましたが、その威力を肌で感じる現象でした。無論、人間関係入り乱れすぎの、現在の「in the sky」でも、同様の戦争が起こっていますがね! 怖くて近寄れないので、物陰からそっと見ています……。
わたしは、自分がどうやら、どんなおっさんずラブも受け入れられるうえ、航空会社編に至っては、どのカップルの組み合わせでも案外いけるクチだったことに気がつき、思わず「マジデリカシー!(が無い)」という牧の言葉を思い出していました。
いやもうね、ここまで来たら、はるたんと武蔵には、結ばれるまであらゆるタイプのシチュエーションで永遠に転生してほしいですわ。部長、機長と来たから、次はやっぱ組長……?って、いきなり絵面が「極妻」みたいになるのもなんか違うけど!

では以下、放映順ではなく、わたくしの視聴順に、感想ともつかぬ独り言をしたためたいと思います。

【2018年・連ドラー天空不動産編】全7回
ドラマ「家政婦のミタゾノ」からの番宣でたまたま知ったというのも、もはや運命の出会いだったんだな……としみじみ。現シリーズの1週間後の放映が待ちきれなくて、こっちの録画を見始めたんだけど、結果、最初から最後まで通して見ちゃったわ☆
はるたんの流されやすさを、BL漫画の傑作『窮鼠はチーズの夢を見る』の大伴先輩に、牧の甲斐甲斐しさと面倒くささを同作品の今ヶ瀬と重ね合わせると、より楽しさと切なさが増します。
しかし、前にも書きましたが、わたしのハイライトは、最終回、武蔵からのお手紙をはるたんが読むシーンです。途中から、外を歩いている武蔵と、家で手紙を読んでいるはるたんが2画面で出てきて、最後に、
武蔵「君に」
はるたん「会えて」
二人「よかった」
と唱和する部分が、いま書いていても涙腺が緩みます。
あと、細かすぎて伝わらないけど好きなシーンは、やはり最終回、武蔵が結婚式場で「はーるたん」と愛しそうに呼ぶと、はるたんが「はぁい」と小声で答えるところ。このはるたんが、 嫌がっているふうでもなく、さりとて満面の笑みでもない、なんとも複雑そうな笑顔で、最強にかわいいんだ!
……あれ、なんか武蔵絡みばっかりだな? もちろん、牧と結ばれるラストが本来のハイライトなのはわかってるよ! ここからふたりの関係性(業界用語でいうと攻受)が変わるのかな?と想像させるラストシーンもよかったです。

【2019年・連ドラ―in the skyー】全8回・放映中
なんといっても、いままさにリアタイ視聴しているので、この話が長くなりますが、どうぞご容赦を。でもって、ネタバレありまくるので、これから見るという方は飛ばしてください。
本当は最終回までアップはやめておこうと思っていたのに、このあとの展開と結末によっては現在の情熱が維持できない可能性もあるから……。
今回は、春田が中途採用の新米CAで、武蔵が“グレート・キャプテン”と慕われる機長です。初めの3回目くらいまでは、「なんか前回にも増してアクセル踏み込んでるなー」という、展開に対しての純粋な感心が先行しておりましたが、春田が自らの恋を自覚する中盤から、俄然萌え度が10倍増しになり、今では先が気になりすぎて、先日はついに、めったに買わないテレビ雑誌まで買ってしまったほどです。
前シリーズでは、圧倒的に受け身だった春田(このシリーズでは、はるたんという愛称は出てきません)。お人好しでちょっとポンコツなのは相変わらずですが、パラレルワールドとはいえ、こんな、嫉妬や独占欲むき出しの攻系はるたんも見られるとは……と感慨にむせぶ場面も。
今回は、牧ポジションが、先輩にあたる整備士の四宮(シノさん)と、年下の副操縦士・成瀬に分かれています。牧くんの料理上手で几帳面で忍耐強いところはシノさんに、若きイケメンのビジュアルとSっ気&ツンデレ属性は成瀬に。
このドラマでは、毎回ラスト5分で怒涛の展開を見せ、さらに予告で混乱させるというパターンがお決まりなのですが、第5回のラストでは、春田が「おまえぜんっぜん可愛くないんだけどっ」とか言いながらも成瀬に惹かれて、泥臭くも熱量の高い愛の告白をしたうえ、半ば強引にキスするという衝撃の場面があり、しばらく頭の中が花火大会みたいになって、サルの自慰のように録画をリピートしてしまったわ……。

で、1週間、まさに一日千秋の思いで待った先日の第6回放送。またこのラスト5分がやばすぎました。
成瀬は、自分でも気がつかないうちに沸き起こっていた四宮への恋情を、春田に振られたばかりの四宮へぶつけます。ビッチ体質で周りを振り回してきた成瀬が、唯一、本気で好きだと確信できた相手が四宮で、でも不器用な成瀬は、「俺が忘れさせてあげるから」なんて云っていきなり迫って、体で慰めようとする(!)。
その瞬間まで、キャストの番手的にも春田×成瀬なのかなと思っていましたが、このシーンであっさり成瀬×四宮に8割方寝返り、いかにも受け受けしいビジュアルの成瀬なんだけど攻めも全然アリでは、いや待って、これって襲い受けとかいうジャンル? 過去にハマった作品を鑑みるとわたしの性癖に刺さるのってもしやこれ?……などと、くだらないことを考え巡らせ、1日1回はここの場面を見ないと落ち着かない体質になってしまいました。
他人を信用できないために刹那的な関係しか持ってこなかった成瀬が、初めて人に何かしてあげたい、でも(傷ついている貴方を)どうしてあげたらいいかわからない、もうあんたとしか(キス)したくない……と泣いている姿の、捨て猫みたいに無防備な美しさ、儚さ、切なさってばよ! そこまでの伏線で描かれてきた数々の、無意識的な好意の表出と相まって、胸を掻きむしられるものがありました。

顔がよくて仕事はできるけど性格に難ありまくりの成瀬って、現実世界で身近にいたら感じ悪~!って思いそうだけど、フィクション的には面白いのと、千葉雄大演じる成瀬のビジュアルの説得力がありすぎて、何でも許します!って思っちゃう(多少むくみが気になるときもあるけど)。
もともと「あざとかわいい」と称されているほど赤ちゃんみたいな愛くるしい顔立ちの役者さんですが、この成瀬役は、もはや“BLの申し子”としか云いようがないほどの、かわいさと色気のマリアージュが半端ではありません。本当に三次元? ジルベール(風と木の詩)か森蘭丸の生まれ変わり??
だから、春田にキスしてもされても、四宮を襲っても、武蔵と恋愛抜きで絡んでいるシーンでさえも、全部から萌えが滴ってくる。対春田には冷たく、対四宮には不器用に、対武蔵にはあくまでもかわいく……服を脱いでいるわけでも、過剰に性的な場面でもないのに、なんだろう、表情から台詞、仕草、人との距離感に至るまで、いちいちエロい。背徳的っていうか、陰翳礼讃的っていうか、端的にBL的なんです。例えば、前述の四宮を押し倒すシーンの、「俺が」と「忘れさせてあげるから」の間の取り方とか!細かすぎて多分伝わらないけど!
最初は正直、とりあえず今回も綺麗な顔の年下男子を春田の相手に当てがっといた感じかな、くらいにしか思っていなかったし、初回放送で成瀬が、職場まで追ってきた遊び相手を追い払うために、たまたまそこにいた春田にキスするというシーンも、萌えよりインパクトが先行している感じだったのですけど、後半になるにつれいろいろ炸裂してきて、6話ラストの破壊力で、息の根を止められた感じです。

見ていない方には、人間関係がさっぱりわからないと思うので整理しますと、
春田→成瀬
成瀬→四宮
四宮→春田
という、主要人物全員が片思いの関係。これは、ドラマが進行するにつれ徐々に確定していくのですけどね。
シノさんの春田への恋もとっても切ないんだけど、ここは最初っから報われなさそうという気配があったので、6話でお試し交際の末に正式に振られたときは、ああやっぱりね……という思いしかなかったです(シノ春民に殺されそうな発言)。
……あれ、武蔵は?? もちろん武蔵→春田の片想いは不動です!!!(笑)
しかし、ほかの2人とは恋愛の矢印が無いもんで、若干、いまは蚊帳の外感がありますね。今回の武蔵には娘までいるし……。残り2回で怒涛の追い込みがきっとあると信じています。
さらには、6話から急に獅子丸怜二というスパダリ系のイケメン(山崎育三郎)まで投入され、人間関係はさらに混線。誰と誰が結ばれてもおかしくないんだけど、必ず誰かが不幸になるであろう状況。不動産編は、何だかんだいっても最後は牧でしょ?という謎の安心感はあった気がするな……。
現時点では、成瀬×四宮がいちばん萌え度高くて薄い本とか読みたくなる感じなんですけど、春田が置いてけぼりになるのも辛いし、春田が成瀬に告白→キスするところは最高に興奮したし、さりとて春田×成瀬で落ち着くには6話の成瀬は本気すぎたし、いやもういっそ武蔵でいいのでは? そうするとSeason3で転生できないか……と、なかなか自分の心が定まらず、まさに乱気流真っ只中の今ココ。
ミステリーばりに先が読めず、ネットに上がっている考察や予想を読むんだけど余計に混乱して、無駄なしんどさを抱え込んでいます(苦笑)。国語の試験問題だったらほとんどの人が解けないと思う……。

CAなのに機内乗務のシーンないんかい!とか、社員寮なのに共同スペースに春田と成瀬と四宮しかおらんし!とか、武蔵もあんだけ迫っといて春田が倒れた原因が自分にないとか思ってるわけー?? ……などなど、いろいろ突っ込みどころはあるけれど、今回は、春田も含めて登場人物がみんな必死で情熱的で、それぞれにカッコ悪くて酷いところもあるっていうのが、見る側の気持ちを掻き立てるのかも。成瀬がシノさんに一気呵成に畳みかけていくところも、心の中ではスポーツ観戦ばりに「行けーーーー成瀬ーーーー!!」って叫んでたもんな(笑)。
やっぱり、“押さえきれなくて溢れ出す気持ち”、この熱量こそが、恋の醍醐味なんだと思います。当事者になったら辛くて苦い禁断の果実ですが、フィクションで味わう分にはいいもんだ(笑)。
何にしても、「好きの反対は嫌いじゃなくて無関心」という法則にもあるように、好きも嫌いも過激派を増殖させるほどのフィクションというのは凄いですね。あと2週で終わり、どうやって畳むつもりなのか……しかし、どんな結末になっても、少なくともここまでは見てよかったと思えるし、不動産編とはまた違った面白さを生み出してくれた俳優・制作陣には尊敬しかありません。またドラマが終了したら感想書きます(多分)。

【2016年・単発ドラマ】
スペシャルドラマということは2時間くらい?と思っていたら、1時間モノでかなりコンパクトにまとめられていたんですね。
でも、ここに「おっさんずラブ」のエッセンスがぎゅっと凝縮されていて、短いが故のテンポのよさと疾走感で、満足度はかなり高かったです。リアリティも、この単発がいちばんありそげ。
天空不動産編の始まりのハイライト、部長の盗撮に春田が気づくところから、シャワー中の春田に牧が迫る「春田さんが(単発では、センパイが)巨乳好きなのは知ってます。でも巨根じゃだめですか?」という名(迷?)セリフ、部長と牧のキャットファイト、そこで牧がはるたんの悪いところを10個言う流れも、全部こっから始まっていたのよね~!
このときの武蔵のライバル役は、落合モトキ演じるハセこと長谷川幸也。愛くるしいビジュアルの牧とはだいぶタイプが違いますが、掴みがたい色気と、いい意味での生々しさがあって、上記シーンの違いを味わうのもまた一興です。春田を「センパイ」って呼ぶのも、ちょっと『窮鼠~』の今ヶ瀬チックで好き。あと、ふたりの身長差がそんなにないところも、男同士感が溢れていて好き。
しかし、なんといっても最高オブ最高なのはラスト!“恋に落ちる瞬間”が、完璧な出来で表現されていて、もうね、“ときめきに死す”とはまさにこのこと! 悶えるくらい、いいシーンなんですっ!
春田のキャラクターは、連ドラほど優しくもなく、流されやすくもなく、どこにでもいるノンケの兄ちゃんという感じです。なんなら、ちょっとツンデレ気味なのは、以後のキャラにはない属性かも? でも、“はるたん”の可愛げはちゃんとあって、部長お手製の弁当を食べたあとにヤケ酒して帰宅し、「さむいさむいさむい……」とソファに縮こまって寝るシーンなどは、妙にリピートしたくなります。
春田が、ハセの告白を受けて「気持ちわりいんだよ!」なんて言っちゃうのも、部長をたまたま押し倒しているところを後輩に見られて「春田さんはゲイ」だと噂を流され、会社ではれ物に触るような状態になるのも、今だったら考えられないけど、これが3年前の世のリアルだったのかなとも思う。現ドラマ(in the sky)では、男同士で恋が始まっても、ジェンダー面での葛藤はほとんどありません。ある意味ではBL色が強くなったとも云えるけれど、当事者にとってはこれこそが正しく、優しい世界とも云えます。そんな一面を見ても、LGBTを巡る世界は、この3年で大きく変化したと感じます。
なお、この単発でも、武蔵が春田に、やけに達者な毛筆でラブレターを送るんですが、部長のお手紙には毎回泣かされる……。
「はるたんは、自分に自信がないと言いますが、僕は、君のいいところをたくさん知っています」って、 こんなこと云われたら思わず絆されちゃうよー!
正直、はるたんと武蔵の並びに萌えるわけではないのですが、やっぱりこの二人がいてこその「おっさんずラブ」、主役ははるたんで、ヒロインは武蔵なんだなとあらためて思います。

【2019年・映画版】
ドラマ「in the sky」が佳境に入っているなかで観たせいもあって、普通に楽しんだ、娯楽として面白かったというのが正直な感想です。このシリーズでも何度でも出て来る、いわゆる「人として好きです」的な感じでしょうか……。
相変わらずのコミカルさ、はるたんのアホっぽいかわいさ、武蔵の突き抜けた面白さ、映画ならではの大げさ感は楽しかったですが、正直なところ萌えは少なめでした(自分比)。そんななか、春田と牧が浴衣で花火大会デートするシーンは、スキマスイッチの主題歌と相まって、なんか切なくなってしまった。BLを読み込んでいる友達によれば「BLあるある」らしいけど!
しかし、何よりも印象に残っているのは、これを恋人と観たというバイセクシャルの友達が「ほんとに萌え死んだ」と言っていたことかな(笑)。

シリーズ共通の萌えとしては、やっぱ「男の制服」ですかね。
リーマンスーツはもちろん、航空会社編ではパイロット、整備士、CA……みんなユニフォーム姿が素敵でそそる!
そして、どんな世界でも、ちょっとずつ性格は違っても、真っすぐで、ポンコツで、テンション高くて、自分にも他人にも鈍感で、でも優しくて、温かくて、可愛くて、妙に色気があって、表情豊かな、田中圭演じるはるたんの太陽みたいなキャラクターに尽きます。
そんなはるたんを何度でも好きになる、武蔵の異常な愛情もね!